■第11号 病気が起こるシステム (2005年05月16日) 今回から第6章の内容に入っていきます。 病気が起こるシステムを考えてみましょう。私たちは、生きている間に、感染にさらされたり、悩んだり、仕事で無理をしたりと、さまざまなストレスを受けますと、ストレスの刺激で、自律神経に過剰な偏りが生まれます。そして、その影響を受けて、身体の細胞や身体を守る白血球が過剰の活動をして、生体に負担をかけ、害を与えることになります。これが、病気の基本的なしくみです。
ということは、病気になるかならないかは、私たちの生き方が重要なカギを握っている、ということになります。困難に出会ったとき、あるいは、何としてでもことをやり遂げなければならないときには、無理をしてしまいます。しかし、限界を超えてしつづけますと、身体が破綻してしまいます。心理的にも同様で、悲しいこと、辛いこと等々我慢してため込み過ぎますと、交感神経を緊張させ、自律神経のバランスを乱し、身体の内側から組織破壊を起こすのです。まさに、ストレスが身体をむしばむのです。
では、ストレスをなくし、ただひたすらに楽をして生きればいいのかというと、そうとも言えないのです。序章でも述べていますが、リラックスしてリンパ球が増えることで、過敏な体質になり、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を起こします。特に女性では、副交感神経の働きで血管が開きすぎ、身体がむくむという循環障害が起こることもあります。
また、肥満は、あるレベルまで、副交感神経が優位なリラックス型の体調を作りますが、これが進むと、肥満であることで息が切れたり、すぐ疲れてしまったりします。つまり、リラックスの体調なのですが、少しの負担ですぐに交感神経が過剰優位の状態になるような体調が出来てしまって、そこから病気を招いてしまいます。
心の持ち方について言えば、頑張ることは良いこととして受け取られますが、頑張りすぎることは良いこととは言えないのです。例えば、仕事をひとりで抱え込んだりすることは、ほめられたこととはいえないかもしれません。完璧主義が行きすぎると、交感神経の緊張を招きます。何事も、度を越してはいけないのです。
一つのことを深く悩んだり、ちょっとしたことにクヨクヨ悩んだり、妬みやひがみの気持ちを持ち続けたりすると、限度を越えたときに、破綻を来します。また、他人の足を引っ張ろうとすれば、心の持ち方がゆがみ、体調もゆがんでくるのです。このように、心の持ち方は、病気の予防にとって大切なことなのです。
今回のまとめは、【心の持ち方が体調を作る】ということでしょうか。次回は、食べることの大切さなどについてです。では次号まで、楽しくお過ごしください。(^‐^) |