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奪われし未来

■第1号 『奪われし未来』の解説です。(2006年01月16日)
今回は、『奪われし未来』<翔泳社>という書籍の概要について、お伝えしていきたいと思います。

この本は約10年前に出版された、合成化学物質とその安全性について書かれた書籍です。ところが実は、これ以前、今から約44年前にアメリカのレイチェル・カーソン氏が、合成殺虫剤が招く危険性について『沈黙の春』に書いています。また、日本においても、約31年前に有吉佐和子氏がさまざまな毒性物質の複合汚染による環境や人体への問題について『複合汚染』に書いているのです。 

ところで、『奪われし未来』では、合成化学物質が、動物の精発達障害や行動、また、生殖異常や環境への影響について、科学データを検証しています。そのことを通じて、人体への影響を警告しているのです。
殊に、ごく微量な合成化学物質が、ホルモン作用攪乱物質となり、生殖能力に影響を及ぼすという研究には、驚きを通り越し、恐ろしさを感じました。

今でこそ、多少、合成化学物質の恐ろしさは、認知されつつあると思います。しかし、現実には、様々な食品の中に、恐ろしいほどの種類の食品添加物が使われています。食べ物だけではありません、洗剤などもしかり、『沈黙の春』以来の農薬などの問題も依然として、残っているのではないかと思います。食品添加物の害について話をしますと、「そんなことを言っていたら、食べるものなどないではないか」との声が返ってきて、そこで話は途切れてしまいます。

だからといって、黙ってしまっていいのでしょうか。合成化学物質の危険性に耳を傾け、そういうものを含まない食品の提供をしている企業もあるのです。要は、私たちが、合成化学物質の害について、どのように認識し、どういうふうに行動するかなのではないでしょうか。

まだ、科学的にその害が、きっちりと立証されていないのだから、それは行きすぎた考え方だとお考えになる方もおられるでしょう。そういう方は、それでいいと思います。
しかし、昨年問題になった、アスベストのように、はっきりしてからでは、もう遅いのです。このことは、『電磁波シンドローム』でもお伝えしたことです。

一人でも多くの方に、合成化学物質の害について認識していただき、できるだけ避けていただくことができればいいな、と考えております。

私のような、子孫を残す作業が終わったものは、どうでも良いことですが、若い人、特に子どもさん方には、避けられるものなら避けていただきたいと念じざるを得ません。もっとも、合成化学物質が、ホルモンに誘発された癌に関係することも考えられますので、どうでも良いとも言い切れませんが。

では、次回より、概要についてお伝えしていきます。次回まで、楽しくお過ごし下さい。(^‐^)
 

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