■第13号 適した食生活 (2006年06月26日)
今回は、歯の構成から、適した食生活を考察する、お話からです。
歯には、門歯(植物をかみ切るのに適した、薄くて四角い歯)、犬歯(肉をかみ切る、先のとがった歯)、臼歯(かみ切った植物をすりつぶす、臼のような歯)があります。人の場合、門歯が上下2対ずつ(8本)、犬歯が上下1対ずつ(4本)、臼歯が上下5対ずつ(20本)の合計32本です。これを植物食と動物食のバランスと考えると、植物食が門歯と臼歯で87.5%、犬歯で112.5%になり、11号で述べた、動物食15%、植物食85%の根拠となります。
このように、歯の構成から、食べ物を考えると、
・植物食を85%(85〜90%)、動物食を15%(10〜15%)のバランスでとる
・全体として、穀物50%、野菜・果物35〜40%、動物食10〜15%
・穀物は、精製していないものを選ぶ
ということになります。
因みに、人間に近い、チンパンジーの胃相・腸相をみると非常にきれいだそうです。動物は、病気になるとすぐ死んでしまいますが、それだけに、食が自分たちの命を養い、健康を守る大切なものだと、本能的に知っているようです。そのチンパンジーの食事は、果物50%、木の実・芋類45.6%、アリなど昆虫を主とした動物食4〜5%なのです。
人間もこのような動物の知恵に学び、食の基本に立ち返ることが必要だ、と言われます。
さて、地球上には様々な食性を持つ動物がいるのですが、共通していることは、エンザイムを多く含んだ状態の食べ物を好むということです。エンザイムを多く含むということは、つまり、新鮮な食べ物であり、食の基本は、新鮮なものを食べる、ということなのです。
ところが、人間は、食物に含まれる栄養素を調べ、分類し、カロリー測定をし、栄養学を確立しましたが、「エンザイム」という観点が全くなく、そのため、エンザイムを含まない「死んだ食べ物」が、たくさん食べられるようになったと述べておられます。このことは、ペットの食事にも同じことが言え、ペットが様々な病気で苦しむ結果を生んでいるということです。
ところで、肉食動物は、肉しか必要としないと考えがちですが、実は、彼らは、植物を分解するエンザイムを持たないため、植物を食べられないからなのです。しかし、彼らも、植物を必要としているため、彼らは、草食動物しか食べないのです。彼らが、狩りで捕らえた草食動物で、真っ先に食べるのは、草食動物が食べたエンザイムに消化されかけている植物のある腸なのです。これによって、草食動物が胃腸で消化した植物と消化しつつある植物を得ているのです。
肉食動物は草食動物だけを食べ、草食動物は植物だけを食べるのが、自然の摂理なのです。しかし、この自然の摂理を無視したために起こった例が、「BSE(牛海綿状脳症)」です。
現時点では、BSEの完全な原因解明はされていないのですが、草食動物である牛に、人間の思惑で、動物性の「肉骨粉」を与えた結果であることは、これまでの調査で明らかです。
結局、人間を含めたすべての動物は、何をどのくらい食べるのがよいのかは、自然の摂理で決まっているのであり、これを無視するところに健康な生活はあり得ないのです。
では、次回まで、楽しくお過ごし下さい。(^-^)