■第15号 遺伝よりも習慣 (2006年07月10日)
病気は遺伝によるのだと、よく言われますが、今回は、遺伝よりも習慣に原因があるというお話しです。
私はガンの家系だとか糖尿病の家系だとか言って、発病すると、遺伝だからしかたがない、と言われる人がよくいます。遺伝的要素があることは否定できませんが、遺伝子を持っている人が、すべてその病気になるわけではありませんね。そこには、遺伝をもじって「食伝」といわれる人もいますが、食を含め、生活習慣、価値観等、いわゆる親と同じ習慣を受け継いでいることが、大きな原因と考えられるのです。
ですから、よい食材、よい水を選び、規則正しい生活をし、極力薬を飲まないといった、体によい生活習慣を受け継ぐと、それほどの苦労もなく健康を維持し続けることができるのです。だから、親は、子どもたちが健康に生活していけるよう、自分たちの生活習慣を見極め、正しい習慣を子どもに伝えていく責務があるのです。
正しい生活習慣は、できるだけ早く刷り込むことが大切です。今や、幼児の能力開発が盛んですが、それよりも、健康な生活を送るための習慣の刷り込みの方がより重要なのではありませんか。いくら、能力があっても、健康でなければ豊かな人生を歩むことは困難ではないでしょうか。
人間の体質は、親からの「遺伝」によるものと、幼い頃からの「生活習慣」によって培われるもの、この二つによって決まると、新谷教授は考えておられます。
ガンになりやすい遺伝子を持って生まれても、親が健康に気を配り、よい生活習慣を身につけ、ガンを発病せずに天寿をまっとうできると、子どもは、“たとえガンになりやすい遺伝子を持っていても、自分で努力さえすれば防げるのだ」という意識を持つことができるのです。
親から、「よい食べ物」「よい食べ方」「よい生活習慣」を受け継ぐことで、後の世代での遺伝的要素がどんどん弱まっていくと考えられます。つまり、よい生活習慣の継承は、遺伝子の書き換えさえもできるということなのです。
例えば、乳児期は、母乳で育つ方がよいのですが、不幸にも母乳が出ず、ミルクで育てられたとしても、離乳後によい食生活、よい生活習慣を積み重ねると、年をとっても生活習慣病になることはないのです。逆に、母乳で育ったとしても、離乳後の食生活や生活習慣が悪ければ、病気で亡くなる可能性もあるのです。
遺伝的要素は、もって生まれたもので、どうしようもありません。しかし、生活習慣は、自らの、努力と意志の力で変えることができるのです。
遺伝的要素は、生活習慣によって、プラスにもマイナスにも変わるのだ、ということを肝に銘じておかなければならないでしょう。
では、次回まで、楽しくお過ごし下さい。(^-^)