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病気にならない生き方

■第8号 牛乳 (2006年05月07日)
今回も、牛乳についてのお話の続きから入ります。
臨床データから、牛乳や乳製品の摂取がアレルギー体質をつくる可能性が高いことがわかっています。このことは、妊婦が牛乳を飲んでいると、子どもにアトピーが出やすくなるという最近のアレルギー研究結果と一致していることからも言えます。
日本で、この30年間で、アトピーや花粉症の患者が急増しています。その原因としていろいろな説がありますが、新谷教授は、第1の原因として、1960年代初めに導入された学校給食の牛乳にあると言われます。
前回にもふれておりますが、過酸化脂質を多く含む牛乳は、腸内環境を悪化させ、悪玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを崩します。そして、腸内に活性酸素、硫化水素、アンモニアなどの毒素が発生します。これらの毒素が病気を招くプロセスは研究途上ですが、牛乳が、アレルギーだけではなく、子どもの白血病、糖尿病を発症させる原因となっている、という研究論文がいくつも出ているようです。
さて、牛乳に関する最大の誤解は、“牛乳が骨粗鬆症の予防に役立つ”ということです。日本では、おおよそのお医者さん、栄養士さんは、特に中年女性に、「骨粗鬆症予防のために、牛乳を飲みましょう」と指導しているのではないでしょうか。新谷教授は、“牛乳の飲み過ぎこそ骨粗鬆症を招く”と言っておられます。
これは、まさに、人間の恒常性のなせる技なのです。つまり、人間は、血中カルシウム濃度を一定に保とうとします。そこで、牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度は急激に上昇しますので、通常の状態に戻そうとして、血中の余剰カルシウムを腎臓から尿に排泄してしまい、その結果、換えって体内のカルシウム量を減らすことになります。ですから、牛乳を毎日たくさん飲むアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドなどの酪農国で、股関節骨折や骨粗鬆症が多いのではないかと考えられるのです。
ところが、昔から日本でカルシウム源として摂られてきた、小魚、海藻類に含まれるカルシウムは、血中カルシウム濃度を高めるほどの急激な吸収はなく、骨粗鬆症も起こらないということになるのです。
さらに、ヨーグルトも体にはよくないのだそうです。臨床から、ヨーグルトを常食している人の腸相が良くないことから、このように感じておられるのです。
ヨーグルトの乳酸菌が良い、と考える人は多いようですが、元々、人の腸内には、乳酸菌が常在菌として存在しています。そして、体外からの菌やウイルスに対しては、これを排除しようとするセキュリティシステムによって殺菌してしまうのです。ヨーグルトの乳酸菌といえども同じで、胃酸によって、その多くが殺菌され、無事町にたどり着いたとしても、常在菌とは共存できないと考えられます。シャーレによる実験と実際の体内とは条件が違うのであり、実験結果通りには行かないのです。
便秘が治った、などの勘違いをおこさせるのは、“乳糖”を分解する「ラクターゼ」という酵素不足の故なのです。つまり、ラクターゼ(東洋人では特に少なく、また、年齢とともに減少する。このあたりの話は、拙著eブックでも記載)不足で、ヨーグルトに含まれる乳糖が消化できず、消化不良を起こし、軽い下痢を起こします。その結果、腸内に停滞していた便が排出されるのですが、このことを便秘が治った、と勘違いするのです。
ヨーグルトの常食で、便、ガスの臭いが強くなっているとすれば、腸内で毒素が発生していることに他ならないのです。
では、次回まで、楽しくお過ごし下さい。(^-^)

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