■第14回 日本食の良さ再認識へ (2007年05月02日) 健康生きがいづくりアドバイザー 川田和幸
昔から「医食同源」と言われ、病気を治すのも食事をするのも本質は同じと言われるほど、食事は健康にとって大切です。テレビでは、ねつ造問題が起こるほどに、食に関する番組が競って放映されています。 また一方、昨年6月に「食育基本法」が成立するなど、国も健康にとっての食の大切さを認識し、力を入れ出しました。 そして、食育を指導する自治体の機関では、食事はバランス良くとりましょう。1日に30品目を食べるようにしましょう。牛乳も毎日180ccとりましょう。こういう指導をしています。 では、バランス良くということはどういうことでしょうか。野菜と動物性タンパク質を半々ぐらいということでしょうか。『病気にならない生き方』という書籍にも書かれていますが、動物性タンパク質15%がバランス良く、になるのです。どうしてなのでしょうか。 それには、皆さんの歯の構成を考えてみてください。親知らずも含めて考えると、門歯(植物を切る)が4対(8本)、臼歯(かみ切った植物をすりつぶす)が10対(20本)。 これに対して犬歯(肉を噛みちぎる)が2対(4本)の合計32本です。厳密に言うと、動物食が12.5%ですが、まあキリがよいところで15%となり、植物食が85%となります。 このように、身体は進化によって、正しい食生活をその構造で示してくれていますね。 さて、次に栄養素のバランスについて考えてみましょう。今の食生活では、ミネラルやビタミンが不足していると言われていますが、一応主食とされている“米”について考えてみます。 皆さんは、きっと白米をおいしいおいしいと食べておられると思います。 ところが、昔のように、右から左へと白米と書いてみてください。“粕”という漢字になりませんか。つまり、タンパク質やビタミンやミネラルをそぎ取ったカスが白米なのです。そのことを教えてくれています。 玄米とまではいかなくても5分づき7分づきが良いでしょう。 野菜にしても、化学肥料・農薬で栽培されたものと有機肥料で栽培されたものでは、ミネラルの含有量は有機野菜の方が多いというデーターが出ています。 また、虫も食べないような野菜が果たして安全な食べ物なのでしょうか。 虫は自然界に存在しています。自然の営みに必要ないものは淘汰され、存在しなくなっていくのではないですか。害虫だとか益虫だとか決めているのは、人間の都合で勝手に決めているだけではないのでしょうか。 次に30品目を食べましょうと言います。ところで、“身土不二”といわれるように風土にあった旬のものを主体に食べることが健康に良いわけです。 なぜかと言えば、例えば、夏の野菜は体を冷やし、冬の野菜は体を温めるという働きがあるからです。 ですから、季節にできる、温室育ちでない露地栽培の野菜の少ない時期などには30品目など、到底食べることなどできません。 またその必要もないのです。 次に牛乳についてですが、そもそも牛乳とは牛の乳、つまり、牛の乳児が飲むものです。牛は成人しても乳を飲んでいるのでしょうか。人だって、母乳は1歳そこそこで飲まなくなるのではないですか。 乳は血液だとも言われていますので、牛の血液を人が飲むということも自然の摂理に反しているのではないでしょうか。 最近のベストセラー『病気にならない生き方』や『病気にならない人は知っている』などを読んでみると、牛乳は飲んではいけない、と書いてあります。 カルシウムをとりたいのなら、ヒジキ、ワカメで牛乳の10倍以上もとれるのです。 では最後に、食物という漢字を考えてみましょう。“食”というのは、人を良くすると書きます。 ですから、人をよくするものが、食物なのですね。今、この奈良日日新聞で、簗瀬先生のお話しが連載されていますが、それをお読みいただくと食品添加物など自然界にないものは身体に良くないと、医師の立場からそのことが書かれております。 外国人が、健康のために日本食を求めているというのに、なぜ日本人は西洋食を求めるのでしょうか。日本食の良さを再認識する必要があるのではないでしょうか。(奈良日日新聞掲載)
それでは、次回まで、楽しくお過ごしください。 (^‐^) |