■第23回 環境変われば喪失も(2007年07月04日) 健康生きがいづくりアドバイザー 橋本哲夫
連載中の「私と健康・生きがい」は今回で最終回となりました。リレー式に執筆させていただいたのは県健康生きがいづくり協議会のアドバイザーの面々です。 日常生活の中での健康法の紹介や、趣味やスポーツ、ボランティアを通じた生きがい発見など、会員が日ごろ思ったり実践していることを述べたので全体としてはあまり脈略のないものになってしまいました。 それだけに健康や生きがいはこれが決め手というものはなく、自分に合ったものを自分で見つけるというのが結論かもしれません。 生きがいに関してあえて共通点を見いだすとすれば、@目標を持ち、それに向かって挑戦することで得られる充実感、A仲間がいることの喜び、Bその中で自分の役目があること、といったことでしょうか。 このような状態になったときに生きがいを感じられるようです。一言でいうと「自己実現を果たす」と言うことになります。 生きがいは生活、仕事、自由時間のどこにでも見出せます。でも待っているだけでは見出せないでしょう。少しだけの努力や積極さがいるようです。 生きがいの内容について言うと、先ず一人だけでも得られる生きがいがあります。 例えば「何かテーマを決め、ライフワークとして研究に取り組む」といったことがあります。 これだと1人でもできます。これを一人称の生きがいと言います。次に仲間と一緒に得られる生きがいがあります。 例えば「サークルに入り(作り)、練習を重ね、みんなで美しいハーモニーを楽しむ」といったことです。これを二人称の生きがいといいます。二人称といえば、三人称があります。 これは誰かのために活動し、そこで認められ、感謝されることで生きがいを感じることです。先ほどの例で言えば、「コーラスの指導者となり、熱心に教えた結果、コンテストで優勝できた」といったことです。 多くのボランティア活動などもこの中に入ります。どの段階でも生きがいは感じられるのですが、何かを始めて続けていくと、生きがいの内容は「一人称→二人称→三人称へ」とステップアップし、それにつれて“生きがい度”はより高まると言われています。 一つ注意しないといけないのは、生きがいは環境が変われば喪失することがある、ということです。 例えば、子どもの成長を生きがいにしていたお母さんが、子どもが親離れして巣立ってしまうと、いわゆる「空の巣症候群」に陥ってしまうことがあります。 また、長年会社の仕事に生きがいを見いだしていた会社員が、定年退職で生きがいを喪失してしまう場合もあります。これを防ぐには複線型人生がお勧めです。 同時に二つ以上の生きがいを持っていれば、一つ無くしてもまだもう一つあります。万一、体が不自由になった時のことを考え、アウトドア活動と、室内の活動の二つを持っておくことも必要かもしれません。こうしておけばある程度ダメージは防げます。 最後に健康と生きがいの関係について言うと、いくら健康であっても生きがいのない暮らしはつまらない人生だと思います(健康のためなら死んでも良い、という人は別ですが・・・)。 逆に、健康を損なうと生きがいの選択肢はずいぶん限られてしまいます。ということで、「健康あっての生きがいでづくりなので、健康は生きがいの土台である」という関係ではないでしょうか。 協議会では現在、毎月第4日曜午後に誰でも楽しめるニュースポーツ「ディスコン練習会」を行っています(参加無料、どなたでも)。 また9月から毎月1回「いきいきライフ塾」を開催する予定です。会場はいずれも奈良市中登美ヶ丘にある奈良市グリーンホールです。 大阪や京都では健康生きがいづくりアドバイザーの養成講座も行っています。参加をお待ちしています。お問い合わせは事務局の川田(電話:0742(53)5506)まで。 23回にわたってお読みいただき、ありがとうございました。皆様の健康と生きがい発見を心よりお祈り致します。 (おわり)
(奈良日日新聞掲載)
それでは、またお目にかかるまで、楽しくお過ごしください。 (^‐^) |